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行政書士や弁護士に頼むべきか?

内容証明というのは、あくまで「手紙」の一種ですので、所定の規則さえ守れば、弁護士や行政書士に頼まなくても、自分で作成し、郵便局の窓口に提出することが可能です。

郵便局に聞けば、書式や手続きの方法などについては教えてもらうことも可能です。

ただし、郵便局は、文章の専門家ではありません。
個別事案に応じて、具体的に、どのように書いた方が効果的であるか、等はアドバイスをすることが出来ません。

手紙というのは、出すことが目的では無く、どのような文章を書いて出した方が効果的であるか、相手にプレッシャーを与えられるか、などが重要だと思います。

また、一度出してダメだからと二度三度出しても、効果はありません。

趣旨内容を整理し、正確に法的な根拠を示して、論理的に表現をすることも重要ですし、人を納得させるためには、相手の感情や良心に訴えかけることも重要になります。

当然、受け取った人は、大抵、弁護士や法律に詳しい人に相談することが大半ですから、例えば、「脅迫罪で慰謝料請求します」など、刑事的な処罰と民事的な賠償を混合した、文言や表現の誤用があるだけで、デタラメな素人の手紙だと受けとめられてしまえば、効果は半減します。

また、通知人本人は、どうしても感情的になってしまうことが多く、そのまま相手を非難や罵倒してしまうことで、かえって、相手の感情的な反発を受け、まとまる話がまとまらなくなってしまうという危険もあります。

少しでも、効果的ないし適切な文面で内容証明を作成し発送したい、ということであれば、専門家に依頼されることは、重要な選択肢になると思います。




メリット・デメリットの比較

本人、行政書士、弁護士、それぞれの場合のメリット・デメリットの概要は以下のとおりです。


メリット・デメリット




依頼出来る相手

内容証明の作成を業としておこなっているのは、弁護士・司法書士・行政書士の3者です。

行政書士というのは、権利義務や事実証明に関する文書を作成することを業としております。
いわゆる「街の法律家」であり、法的な文書の「代書屋さん」という立場になります。

弁護士は、「法の番人」と言われるように、いわずとしれた法律家であり、示談交渉から裁判まで、すべてを本人の代わりに行うことの出来る法律のスペシャリストです。


司法書士も、一定の場合、140万円以内の法的紛争に関して、弁護士と同様に、示談交渉や裁判手続きを代理することが出来ます。


そのため、行政書士や弁護士、司法書士に文書の作成を依頼をすることで、法的な問題点がないかどうかを確認し、事案に応じて適切な文書を作成することが期待出来ます。

また、内相証明郵便の文中に、行政書士であれば「本書面作成代理人行政書士●●●」として、弁護士であれば「通知人代理人 弁護士●●●●」として、職名と職印がつきますので、相手方に心理的なプレッシャーを与えることが出来ます。

その他、行政書士や弁護士などの士業の場合には、職務上の必要があれば、必要な範囲で住民票や戸籍を取得することが出来ます。
そのため、相手方が転居先不明である場合なども、住民票を取り寄せて転居先を調査して文書を発送することが出来ます。


その他の士業も、例えば、知的財産権に係る紛争に関してなら「弁理士」が代理人となって内容証明の通知書面を作成する、等の場合があります。


行政書士や弁護士などの専門家に依頼するかどうか、という点は、以上の点等を考慮した上で、事案に応じて判断していただければ良いかと思います。


行政書士と弁護士、どちらに頼むべきか?

弁護士は一切すべての法律問題に関わることが出来ます。
内容証明などの文書作成も、示談交渉も、示談書の作成も、そして、示談での解決が出来なかった場合には、代理人として裁判を起こして出廷したり、起こされた裁判に応訴したり、それこそ、何でも出来るのです。
弁護士は、要求を簡潔に通告し、応じなければ裁判を起こす、というスタンスが大半です。
また、「弁護士」という名前だけで、相手方に十分なプレッシャーを与えることが出来ます。


一方、行政書士というのは、極端な言い方をすれば、単なる代書屋さんであって、示談交渉も出来ませんし、裁判所に出ることも出来ません。
もちろん、裁判に関わる問題については、文書の作成や相談を受けることも出来ません。
その分、費用でいうと、弁護士に委任するよりは、行政書士の方が、はるかに廉価であることは確かです。
しかし、行政書士の場合には、あくまで文書の代理作成であり、「紛争への介入」をすることは出来ません。
そのため、相手方から事実否認や支払拒否などをされてしまった場合、および裁判その他の法的手続きに発展してしまった以降には、何らの手立ても介入もすることが出来ませんので、多くの場合、どう書けば、相手が任意に応じるか、裁判外での和解で解決となりやすいか、ということを優先して工夫して書くことが多いと思います。

事案によっては、弁護士から文書を受け取ることで、相手方が、必要以上に警戒して連絡すらして来なくなったり、もしくは、喧嘩を売られたような気分になってムキになられたり、かえって話が硬直化したり、こじれたりする危険があります。


よって、裁判外で解決する可能性が充分に見込まれる場合には行政書士に依頼、最初から裁判外で解決する余地が無いと見込まれる場合には弁護士に依頼、ということで判断されても良いかも知れません。




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