未払賃金請求書
退職後に、未払賃金を請求する場合の請求書面文例です。
勤めていた企業から「退職されて損害が生じた」「人手が足りなくて迷惑を受けた」「1ヶ月以上前に言わなかった罰金」などの理由で、実際に労働した正規の対価を支払ってもらえない場合があります。
なかには、別途に損害賠償請求の書面を送りつけられるケースもあります。
しかしながら、民法上は、労働者からの退職要求は、その2週間前までに申し出をすれば良く、2週間以内の退職であっても、単に正規の月給ではなく日割計算される、等のデメリットを負うに過ぎません。
労働者というのは、企業の指示に従い、指揮監督下で働いているに過ぎませんので、原則として、労働者のミスによって生じた損害は企業が責任を負うべきものであり、余程悪質な故意で損害を生じさせたような場合でない限り、労働者が、退職したことによる損害賠償義務を負う可能性は、滅多にありません。
事前に就業規則に罰則の定めがある違反行為に抵触した場合、減給処分は、月給の1割が限度となります。
また、労働基準法上、退職や無断欠勤などに対する罰金などを予め定めることは禁じられていますし、仮に損害や前借りなどがある場合であっても、賃金と相殺することは禁じられています。
|
|
|
|
|
なお、不当解雇または不当な雇止めをされた場合には、本来であれば得られたはずの賃金相当額を逸失利益として請求することが出来ます。 この逸失歴の額というのは、裁判においては、通常、再就職するまでに要する期間分を目安として認定されます。 おおむね3ヶ月~6ヶ月分の賃金相当額というケースが多く、専門技術職の場合には、さらに長くなる場合もあります。
未払賃金等請求通知書 令和●年●月●日
被通知人 冠省。 早速ですが、以下の通りご通知させていただきます。 私は、貴社から雇用され、令和●●年●●月●●日より令和●●年●●月●●日まで、社員として労務を行っておりました。 給与の支払は、毎月末日締めの翌末日払いとなっておりました。 しかしながら、今般、退職後の●月分(●月末日支給分)が支給されておらず、不払いとなっており、生活を維持することが困難な状況になっております。 つきましては、労働基準法第23条に基づき、本書面到着後7日以内に、未払賃金全額をお支払い頂けるよう、請求させて頂きます。 また、あわせて、給与明細と源泉徴収票も、私の自宅宛、郵送していただけますよう、お願いします。 万が一お支払いが頂けない場合には、前記の未払賃金元本とあわせて、所定の遅延損害金(支払うべき日の翌日から商業使用人として年6%、退職の翌日からは賃金の支払の確保等に関する法律の定めにより年14.6%)、および労働基準法第114条に定める付加金(未払元本と同額の金員)を加算して、労働審判申立または民事訴訟などの裁判手続き行うと同時に、労働基準監督署への労働基準法違反申告書の提出または告訴状の提出なども並行して行なう所存でありますので、申し添えます。 なお、賃金の不払いは、労働基準法第109条により、最高で懲役6ヶ月の刑に処せられる犯罪行為となる虞がありますので、ご注意下さい。 最後に、今後の連絡事項等は、書面のみとし、私や私の家族等への直接折衝はご容赦下さい。 万が一、この申し出に反して直接折衝などをされた場合、強要罪(刑法第223条)や業務妨害罪(刑法第233条、234条)で刑事告訴する場合がありますのでご承知おき下さい。 以上、よろしくお願い申し上げます。 草々 |