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実践編

実践編


委任契約解除

委任契約とは、当事者間の信頼関係によって成立するものであり、任意後見契約や死後事務委任、弁護士委任契約などの他、一般的なビジネス上における業務委任契約や経営委任契約はもちろん、会社の役員(取締役など)もすべて「委任」となります。

民法第651条により、委任は、委任者・受任者どちらからでも、いつでも自由に解除することができます。

ただし、やむを得ない事情がある場合を除き、相手方に不利な時期に委任の解除をしたとき、損害を賠償しなければならないことがありますので、注意が必要です(民法651条2項)。


民法 第651条
1 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

ただし、任意後見契約の場合、任意後見監督人の選任前であれば、公証人の認証を受けた書面によってのみ解除することが出来ます(任意後見契約法第9条第1項)。


民法 第651条
1 第4条第1項の規定により任意後見監督人が選任される前においては、本人又は任意後見受任者は、いつでも、公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除することができる。
2 第4条第1項の規定により任意後見監督人が選任された後においては、本人又は任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除することができる。

なお、受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができます(民法第651条)。

また、受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができます(民法第651条3項)。




業務委任契約における、受任者からの委任契約解除の文例です。

委任契約解除通知書

平成●年●月●日


被通知人
 東京都●●区●●
 株式会社●●●●
 代表取締役 山田 太郎 殿
通知人
 東京都●●区●●
 甲野 健一


 冠省。
 早速ですが、以下の通りご通知させていただきます。
 私は、貴殿との平成●●年●●月●●日付で委任契約を締結し、●●業務を受任しておりましたが、今般、民法第651条により同委任契約を解除いたしますので、通知いたします。
 つきましては、本書面受領後、貴殿が私の氏名を第三者に責任者や監督者として届出や登録している場合には、速やかに抹消ないし変更を願います。
 また、会社案内や宣伝広告、ホームページ、看板、その他の媒体に私の氏名や写真、略歴などを表記している場合も、直ちに消してください。
 私が著作権その他の権利を有する財産権のうち、私が許可しないものについては無断使用しないよう、ご留意ください。
 なお、委任事務を処理するのに必要と認められる費用の支出未精算分がある場合には、後日、改めて請求いたします。
 また、本件委任契約およびその解除に伴い、損害を受けたときは、その賠償を請求する場合がありますことを付言します。
 以上、よろしくお願い申し上げます。

草々